ブレーンストーミングってあまり意味がない

ずいぶん前に買った本で、完全に”積ん読”になっていた本があります。

『地頭力を鍛える』という本で”フェミル推定”について書かれた本です。

今回は、この本を読んでちょっと衝撃的なことを知ったのでそれをシェアさせてもらおうと思います。

それは、”ブレーンストーミングってあまり意味がない”かもって話です。

ブレーンストーミング、ブレストと表現する人も多いですし、実際にやったことがある方も多いかと思います。

ブレストの目的は、アイデアを出すこと。

特に、今までにない”弾けたアイデア”を出すことです。

ブレーンストーミングとKJ法

ブレストを行う際の原則は、

 批判して他人の発想の邪魔をしない、
 突飛なアイデアを歓迎する、
 質より量、
 他人のアイデアに便乗する、

です。

参加者の数が多くて全員が集中してブレストすると、本当に奇抜なアイデアが出てきて面白いです。

問題は、バラバラに出てきたこれらのアイデアをどのように処理するかになります。

そこで登場するのは、今度はまとめる方の手法です。

その代表的なものに”KJ法”というのがあります。

KJ法というのは、アイデアをカードに書き出して、それを分類・整理してアイデアとしてまとめる手法です。

川喜田二郎氏が考案されたので、氏のイニシャルからKJ法と呼ばれています。

ボトムアップの方法には弱点がある

先ほど、”ブレストって意味がない”と表現しましたが、正確には、こっちの”KJ法などでまとめることに意味がない”かも、が正確です。

ただ、KJ法や川喜田二郎氏を完全否定する話ではありません。

ブレストからスタートしてまとめてしまうことに大きな弱点があるということなのです。

ブレストからスタートするというのは、ボトムアップの手法を採るということです。

このボトムアップの方向だけを使うことに弱点があります。

フレームワーク思考で俯瞰力

話は少し元に戻りますが、そもそも私が『地頭力を鍛える』を読もうと思った理由は、”フェミル推定って何?”という疑問を解決するのが目的でした。

ところが、私がこの本から得られた最大の気づきは、”フレームワーク思考という俯瞰力を身につけるべき”ということでした。

これだけで、この本を読んだ価値があったと思っているぐらいです。

ところで、”フレームワーク”も”俯瞰力”も、分かっているようで分からないワードです。

ちょっとピンと来ない人もいらっしゃるかもしれませんね。

”俯瞰する”というのは、私は”バードビューで眺める”と頭の中で訳しています。

つまり、物事を近視眼的に見ないで、一歩引いて遠くから、できれば鳥になって上空から全体的に客観的に眺めるという感じです。

私は1人で仕事をしているので、誰も自分の仕事を見てくれません。

そこで、自らの俯瞰力が必要だと再認識したのです。

次に、フレームワークですが、これは私なりに日本語で表現すると”分類するための枠”です。

この枠には、秀逸な使えるオーダーメイドな枠がいくつか存在します。

そのため枠を自ら作る必要はなくて、それをそのまま使えば高い効果を期待できます。

つまり、フレームワークを使うというのは、最初から用意されている”分類されている枠”を使って作業をするということになります。

思考の癖

では、どうして、私の様な一人仕事の場合に、バードビューで分類するための枠を使った方がいいのかです。

それは、人には”思考の癖”があるからなのです。

何か考えて行動する際に、自分の過去の経験や知識だけを使って考え行動する傾向が強いためです。

ポジティブな意味では、思考の癖が個性や独創性の元になります。

ただ、この思考の癖にはネガティブな面もあるのです。

ブレストのアイデアも思考の癖に過ぎない

話をブレストの問題点に戻します。

KJ法は、グループでアイデアを出し合って、類似したものをグループ化して集約します。

新サービスのアイデア出しや職場の改善テーマを抽出するために、ブレストでアイデアを出してKJ法でまとめるのは有効な方法です。

ただ、ブレストに参加する人数には上限があります。

さすがに、何十人もの人数でやるのは無理があります。

つまり、現実には10名以下の参加者でやる訳ですが、当然それらの個々の参加者にも”思考の癖”があるはずです。

そう考えると、10名以下でのブレストというのは、個々の思考の癖の延長線上のアイデアに留まり、実は斬新さがあまりないとも言える訳です。

そして、10名以下ですと視点の”漏れ”もあるはずです。

そう考えると、ブレストなのでいかにも斬新で奇抜なアイデアが出そうで、実は「大したことないのでは?」ということになるのです。

ただ、ブレスト愛用者の方々も安心してください。

このブレストの弱点を補ってくれる解決方法があるのです。

思考の癖をフレームワーク思考がカバーする

それが、フレームワーク思考なのです。

フレームワーク思考に使う、フレームワークにはあらかじめ思考のパターンが”枠”として用意されています。

マーケティング戦略立案のためによく使われるフレームワークとしては、”3C”や”4P”が有名です。

例えば、3Cは、会社の経営戦略の方向性が間違っていないかを確認するのに使われます。

3つのCは、Customer(顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の頭文字です。

これらそれぞれについて分析するわけです。

顧客については、ターゲットを明確して、どんなことに困っていて、どうすればその悩みを解決できるかという分析です。

競合は、ライバルがどれぐらい強いか、ライバルの強みや弱み、世間からどう言った評価を受けているのかなどを分析します。

自社は、自社の強みや弱み、世間からの評価などを分析し、その上で”顧客”と”競合”の分析内容を踏まえて戦略を立案します。

次に、4Pは、ビジネスに影響を与える4つの要因について競合他者と比較して販売戦略を考えるのに使われます。

4つのPは、Product(商品・サービス)、Price(価格)、Place(立地・流通・販路)、Promotion(販促・広告)の頭文字です。

4Pの中身については、文字通りなのですが、3Cでの分析をやった後に行う作業になることが多いです。

そして、どんなサービスを、いくらで、どういった経路で、という分析をそれぞれのPごとに詳細に行います。

つまり、このような枠があるので、枠に沿って発想をすれば、思考の癖があっても偏ったアイデアだけに留まらないわけです。

フレームワーク思考は専制的なのが弱点

ただ、このフレームワークの方にも問題点があって、それは”専制的”という面があることなのです。

つまり、上から思考のパターンを決めつけてられているので斬新で弾けた自由な発想が出にくい状態になります。

そこで、どうするか?

実は、両方のメリットを生かす手法を活かせる方法があるのです。

漫画のドラゴンボール的に表現すると、ブレストとフレームワークを”フュージョン”する訳です。

ブレストしてからフレームワークを適用する

まずは、ブレストで自由にアイデアを出し合います。

そして、ある程度アイデアが出そろった時点でフレームワークを適用するのです。

フレームワークを適用したときに明らかに”抜けや漏れ”があったなら、それらを埋めるようなアイデアを足して行けばいいわけです。

それと、適用するフレームワークは決まっている訳ではなく状況に応じて最適なものを選択します。

マーケティング戦略のアイデア出しの場合は、上述の”3C”や”4P”を使ってもいいと思います。

それ以外にもフレームワークには、いろいろ種類があるのですが、『地頭力を鍛える』で紹介されている”分類のための5つのタイプ”があります。

具体的にご紹介してみますと、

  1.  相対する2つの概念に分ける、
  2.  尺度を使って程度で分ける、
  3.  行程で分ける、
  4.  カテゴリなどを使った単純分類、
  5.  軸を複数使って分ける

の5つです。

(1)は分かりやすい例ですと、”量と質”で分けるという感じです。

相反する概念なので、2つに分かれるため全く漏れがありません。

(2)は、尺度として使うのは”大中小”であったり、あるいは”しきい値”を使って○○以上、○○未満という感じで分類します。

(3)は、行程を順次的に分ける方法です。企業活動においてプロセスがある場合は、そのプロセスごとに分類します。

(4)は、単純な分類で分かりやすく、例えば都道府県などで分類したりします。

(5)が、一番高い効果を得られる分類ですが、その反面、選択の難易度が高いということも言えます。

複数の視点、座標軸で分類されたフレームワークで、前述の”3C”もこれに当たります。

そう考えると、やはりオーダーメイドというか既に枯れた3Cや4Pなどのフレームワークを選択するのが利口な方法と言えるかもしれません。

こういったフレームワークを複数の人間でアイデアを出し合い際に白地図のように活用する訳です。

これで双方の弱点である「専制的な面」も「抜け漏れ」もどちらも防ぐとこができる訳です。

この方法は、複数名でやるブレストはもちろん、一人ブレストでも使えると思います。

私は1人ブレストをよくやりますが、今後はフレームワークを使って抜けと漏れを埋めていこうと思っています。

最後に、長年放置してた本『地頭力を鍛える』は名著でした。

【地頭力を鍛える】

もう10年以上前に出版された本ですが、メルカリで売らずに本棚に置いておくことにしました。