【えびマケ通信】新年あけましておめでとうございます!

昨年の最後の最後で引き際であることを認めて決断をしたことがあります。

昨年の春頃から目標を設定してずっと続けてきた作業です。

ずいぶん時間と労力をつぎ込んだのですがすっぱりやめることにしました。

やめた理由は、作業が実質的に進まなかったからです。

情熱があれば続くでしょうし、それ以前にもっと作業が進んでいたはずです。

進まなかったのは、やりたいことではなかったという結論です。

マーケティング用語で「サンクコスト」というのがあります。

英語でsank cost、日本語に訳すと”埋没費用”です。

すでに投入してしまい回収できないコストを言います。

なかなか切ない表現ですし、事実この切なさが大きな問題になります。

人生においてこのサンクコストはかなり悪影響を与えるくせ者です。

人生をよりよくするための健全な決断を妨げる内なる疫病神のようなものです。

人情として、お金、労力、時間をある程度投資してしまうと、そのまま続けると損をすると分かっていても後に引けなくなります。

「やめるのはもったいない」と感じてしまって、更に損失を増やしてしまうわけです。

さらにやっかいなのが、埋没してしまった費用が大きければ大きいほどやめられなくなります。

この効果をサンクコスト効果と呼ぶのですが、悪用するとお客様に損をさせて搾取するビジネスモデルも構築可能です。

もちろん、そんなビジネスは時代錯誤も甚だしいですし、売り手、買い手共に幸せにはなりません。

今回は、このサンクコスト効果の罠にはまる前に脱出するための方法を考えてみたいと思います。

そこで、サンクコスト効果が起こってしまう理由を分析してみます。

まず、”現状維持バイアス”というものがあります。

バイアスというのは、”偏り”と言う意味です。

これは、すでに投資してしまっていると捨てられないという損失を回避する考えです。

始めてしまっていると、惰性になってしまい、なかなかやめられないというものです。

惰性でやめられないは工夫でなんとかなりそうです。

やっかいなのは、このことを損失と思い込んでいる点です。

損失と考えている限りは、やはり捨てるのは難しいはずです。

次に、”単純接触効果”があります。

マーケティング用語としては、”ザイアンス効果”の方が呼び名としては有名です。

ちなみに、ザイアンスとは、本件に関する論文を書かれたアメリカの心理学者ロバート・ザイアンス(Zajonc)さんの名前からの引用です。

単純接触効果は、マーケティングの世界では昔からポピュラーに使われています。

ネットマーケティングがなかった頃は、いわゆるルート営業なんかも典型的な単純接触効果を狙った行動です。

ネットマーケティングになってからは、言うまでもなくメールマーケティングがザイアンス効果を狙った手法です。

メールなので顔は合わせませんから、営業訪問に比べれば効果は低いです。

ただ、多くの人がやってきて、今もなおやっている人が多いのは、それなりに効果がある証拠と言えます。

話が逸れましたが、同じ事を続けていると言うのは、そのことに接触していることに他なりません。

また、その続けている事に対して愛着を感じるようにもなります。

これが、単純接触効果そのものとなって悪影響を与えるのです。

加えて、人間の性とも言える”自己正当化”があります。

”引き際の決断を早い段階でできなかった”という自分の判断ミスを認めたくないというものです。

さらに、やっかいなのが”プライド”の保持です。

やめてしまうことで自己を傷つけられたくないと思う気持ちです。

ここまでの強力なラインナップが揃っていることが分析できるとサンクスコスト効果の強さが理解できます。

ただ、強敵ではありますが、分析できてしまえば後は対策を練ればいいだけなので理論上はシンプルです。

まずは、”冷静な判断”をするための心の余裕と時間を取る習慣が必要です。

ただ、日々の業務に忙殺されていると、なかなかこういった時間は確保できません。

意識して、今やっている作業を振り返る時間を確保する必要があります。

お正月の今の時期は最適かもしれません。

次に、過去のことを忘れてリセットすることの有効性を再認識することです。

”すっぱりリセットする”というのはなかなか気持ちのいいものです。

ポジティブに、そのメリットの方に目を向けるわけです。

そして、”第三者の立場で考える”、言い換えれると、メタ認識、バードビューという角度から自分を見下ろして観察するわけです。

自分のやっていることが、赤の他人がやっている作業だと思うと、一気にその馬鹿馬鹿しさを感じるものです。

さらに、自分の失敗を”恥”と考えることをやめることです。

事実、恥だと思っているのは自意識過剰な自分ぐらいで、周りに人はなんとも思っていないものです。

最後に、なんらかの作業を始める前に、”やめ時”をあらかじめ決めておくことです。

金融投資的に言うと、損切りのタイミングとも言えます。

もちろん、やり始めて途中で”違和感”を感じてからやめ時を設定しても遅くないと思います。

新年を迎えて、もし引き際と感じていることがあればこのタイミングはチャンスではないでしょうか?

すっぱりやめてしまって、新しい年をスタートさせるのもいいかもしれませんね。