書店の売上げランキングやAmazonの高評価はおもしろい本を選ぶ際の参考にはなりません。理由は、どちらも本の内容が評価された結果ではないからです。特に当てにならないAmazonのユーザレビューですが、1や2の低評価のコメントにこそ本を見極めるためのヒントが隠されています。つまらない本に時間を浪費されるのを避けるための方法です。

上位ランキングと高評価にダマされる

最近文庫本の小説を読みまくっています。

そして、ランキングを信じて購入してダマされました。

ただ、大して面白くもない本がランキングが上位になっている理由を知りました。

そして、これって自分がよく読むビジネス書でも構造が同じだと気づきました。

私は本を読む方だと思うのですが、今回は、そんな私なりの、読むべき本を見極めて選別し、貴重な時間を損にしないための方法をシェアしたいと思います。

残念ながら、書店が公表している書籍の売上げランキングやAmazonのレビュー高評価は当てになりません。

私はプロ野球シーズンは夜はナイターを見ていることが多いのですが、今はシーズンが終わったので夜の時間は主に小説を読んでいます。

買う本を選ぶ際に、ネットで「文庫本ランキング」などで検索して、上位から順番に読んでいるのですがどれもイマイチ面白くありません。

点数でいうと70点ぐらいが大半です。

世の中こんなに面白くない小説ばかりなのかと疑っていたのですが、どうやらこのランキングが当てにならないことがわかりました。

ランキング上位の本や書店で平積みにされている本の半分ぐらいは、実際に面白くて売れている本ではなく、テレビなどメディアで紹介されたり、有名人・芸能人が紹介したため売れている本です。

例えば、最近の例ですと、小説ではないですが、ビジネス書として売れまくっている「FACTFULNESS(ファクトフルネス) 」はその典型です。

未だに、書店のビジネス書コーナーでは平積みされています。

内容は悪くないですが、はっきり言って著者の偏見が強すぎる本です。

私の評価としてはやはり70点です。

著者にも出版者にも失礼ですが、内容が面白いことがここまで売れている理由とは思えません。

値段も高い本(1980円)なので、出版者としても、書店としても売れると都合のいい本とも言えるのでしょう。

そのため、出版者は増刷し、書店はそれを平積みし続けているのだと思います。

話を文庫本の小説に戻します。

ランキング上位の文庫本小説を読んで違和感を感じたので、その後Amazonの評価を覗いてみました。

そして、その上位にランキングされている理由が”テレビで紹介された”ためというのがわかりました。

このように、最近すっかり悪評が高まったAmazonのユーザーレビューですけど、まだ使い方によっては訳に立ちます。

ただ、基本的にAmazonのカスタマーレビューは相当うさん臭いです。

本ではないですが、高評価ばかりの中国製品は高確率でインチキです。

私もかなりひどい商品を掴まされました。

ちなみに、中国製品の偽レビューはこちらのサイト「サクラチェッカー」である程度見抜けるようです。

●サクラチェッカー
https://sakura-checker.jp/

このサイトの信頼性がどれぐらい高いかは分かりませんが、何もしないよりはマシのような気がして最近使っています。

今度はビジネス書の話ですが、Amazonで発売直後のビジネス書にかなりの数の高評価が付いている本がたまにあります。

ダマされて買ってしまうことも多いのですが、これは発売直後なんですから不自然極まりなくて、やっぱりサクラなのです。

これらは、著者が自分の信者に対してメルマガなどでインセンティブを与えて高評価レビューを書かせていることがほとんどです。

少し時間が経つと、その高評価に騙された読者が、レビューに評価1,2を付けて批判するのですぐにわかります。

このように、書店のランキングも当てにならない、Amazonレビューでの評価も当てにならないなら、いったい何を参考に本を選べばいいのでしょうか?

Amazonの評価を逆利用する

本の場合は先ほどご紹介した「サクラチェッカー」はあまり機能しません。

そこで私なりの見抜き方をご紹介します。

先ほども少し述べましたが、ポイントとなるのはAmazonレビューで評価1,2のコメントです。

低評価のコメントは、ただのクレーマー、嫌がらせ、暇つぶしなども多いのですが、よく読むとしっかりした内容もあります。

特に、高評価が多いので読んでみたら全然違ったという趣旨のコメントがいくつか見つかることがあります。

自分が読んで失敗したので高評価が多いけどよく考えてから買ってねという趣旨のコメントです。

こういったコメントがいくつかあるようなら注意が必要だと思います。

加えて、内容が面白いかどうかというだけでなく、ターゲットについても書いてくれているコメントもあり参考になります。

例えば、”誰々なら読んでもいい”、”まだ学生の方なら”、”社会人2,3年目ぐらいの方向け”とか、そういった表現です。

つまり、こういったコメントを書いた方は、本のタイトルや表紙などからはターゲットが読み解けなくて自分にとってはレベルの低い本を買ってしまったということだと思います。

本のタイトル、サブタイトルや表紙は、なるべく沢山の人に売ろうとして作られている場合もあり、結果としてターゲットのミスマッチになることも多いです。

そこで、こういったコメントを参考しして、その本のターゲットとして自分が当てはまるかを判断するといいと思います。

特に、ビジネス書はターゲットを確認して自分が読むべき本かどうかの判断が重要です。

例えば、社会人を10年以上やってきて、それなりに勉強もしてきた方が、社会人2,3年目ぐらいの若手をターゲットに書かれた本を読んでも意味がないわけです。

このような感じでAmazonのレビューを利用すると、少なくとも本のタイトルや評価の高さにダマされてミスマッチな本を買うことは少なくなると思います。

歳を取るほど時間価値は高まる

言い方を変えれば、歳を取れば取るほど時間を無駄にしてはいけないということです。

若い頃は、学生時代のバイトの癖が抜けないので時間を無駄にしがちです。

学生バイトは、誰にでもできる仕事なので、ほぼ完全な時間の切り売りです。

そのマインドが変わらないまま歳を重ねる人も多く、小銭が減ること避けるのには必死な割には、無駄な時間を使うことには無頓着な人が多いように感じます。

ただ、歳と共に時間は価値が上がってきます。

なぜなら、一般的に、歳を重ねるごとに価値の高いことを生み出せるようになってくるのですから、当たり前と言えば当たり前です。

このように自分の価値が高まっているのにも関わらず、若い頃のマインドのままで貴重な時間を無駄に浪費するのはかしこいとは言えません。

ところで、元外務官僚で作家の佐藤優さんが「読書の技法」でお酒を止めた理由を述べられていました。

自分はもう残りの人生が少ないので、酔っ払ってしまうとその時間は仕事などができないのでもったいない、だから酒はやめたと言うことです。

実は、私も歳を取るまでけっこう時間を無駄にしてきた自覚があったため、この考え方を読んで目が覚めた気がしました。

残念ながら、未だにお酒はやめられませんが、それでも時間を無駄に使うことは減らしているつもりです。

また、昔は絶対にできなかった、読んでいるうちに時間の無駄かもと思った本を途中で損切りしてやめることもできるようになってきました。

本だけはどうも貧乏性で、買ってしまったので最後までという固定観念が抜けなかったのですがちょっとクリアになりました。

それに今はメルカリで比較的売れやすいので、完全にその本が無駄にならないことも考え方が変わった理由です。

ただ、根本的には、なるべくつまらない本を買わないようにしたいところです。

そこで、オススメの方法は、ビジネス書の場合は、ネタバレを恐れずに、つまり内容を知ってしまうことを恐れずに、本要約まとめサイトや本要約YouTube動画を見ることです。

上述したAmazonのレビューの評価1,2を読むよりも前にこちらでチェックするといいです。

あまりに新しい本の場合は、まだ要約がないかもしれませんが、発売から1ヶ月以上経った本の場合はまず見つかります。

要約や動画を見てしまうと内容がわかってしまうわけですが、小説と違って、ビジネス書の場合は気にする必要はないと思います。

私は、本の場合は書店での衝動買いが多いのですが、最近は衝動を抑えて一度時間をおいて、本当に欲しいかどうか考えるようにしています。

そのタイミングで、本要約まとめサイトや本要約YouTube動画を見るようにしています。

この作業をすると、ある程度ビジネス書を読み込んでいる人なら、この要約や動画の途中で自分に必要な本かどうかがすぐにわかると思います。

すぐにわかるので、要約を読んだり、動画を見ることすら途中でやめられます。

当たり前ですが、そもそも、本は売るために、タイトルや表紙のキャッチーな表現で購入意欲をかき立てますが、中身は大したことがないケースは少なくありません。

この方法なら自分が読むべきかどうかかなり正確に判断ができると思います。