こんにちは、藤田です。
 
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1. 全銀ネットの障害とAI開発のチャンス

先日起きた全銀ネットからの他行への振り込みができなくなるという障害は、障害の深刻度も大きく、影響範囲も広く、障害が復旧するまでの時間も長いという前代未聞といっても過言でないレベルでした。

しかも、大手である三菱UFJ銀行での取り引きも含まれていたので、影響を受けた方も多かったかと思います。

後日、一応みたいな感じで原因らしいことの発表があって、その内容がネットでも流れていましたが、専門家が聞いてもまあ何を言っているのかわからない報道内容でした。

ところで、今回の前代未聞レベルとも言える障害の問題の本質は何なのでしょうか?

全銀ネット、全国銀行資金決済ネットワークの略称だそうですが、この金融機関をつなぐネットワークシステムには中継コンピュータがあって、その中継コンピュータの不具合が今回の障害だったようです。

そして、復旧に時間がかかったのは、この中継コンピュータに起きていた問題を解析して修復するのにすごく時間がかかったからです。

この中継コンピュータは、富士通のメインフレームで動いているシステムだったそうなのですが、これは、私などが社会人になってシステムエンジニアになった当時、つまり90年代初頭に主流だった大型汎用コンピュータというやつです。

コンピュータの性能は年々上がってきているので、システム更新はハードおよびソフト共に数年毎に行われてきたのでしょうが、ただ基本的に汎用機の仕組みは変わらないでしょうから設計思想などが古いままのはずです。

メインフレームでのシステム開発が主流だったのは1990年代、つまり30年前です。

当初の開発の中心メンバーが20代後半から30代だったすると、こういった方々は、会社に残っていても管理職、あるいは子会社に異動、たいていの人は会社を変わるか職を変えているはずです。

中にはすでに引退してしまっている人もいるでしょう。

つまり、今となってはすっかり古いシステムとなってしまって、対応出来るエンジニアが残っていないと考えられます。

もちろん、真偽の程はわかりませんが、私もシステムエンジニアですから当たらずとも遠からずという確信があります。

こういうレガシーと呼ぶと格好いいですが、古くさいシステムはまだまだ現役であちこちに存在します。

そして、そういったシステムに限って私たちのライフラインやインフラを担っていることが多いのです。

当然、同様の事象が今後も起きる可能性は捨てきれません。

つまり、すべての国民にとって他人事ではないのです。

そもそもIT技術者は数が少なくて、少子化による労働人口の減少でさらに拍車がかかっている状態です。

古いシステムの維持や更新が困難な状況は、悪化することはあっても好転するとは思えない先が思いやられる状況と言えます。

ところが、こんな悲惨なタイミングに強力な新技術が登場してすでに使える状態になっているのです。

そうです。それは、ChatGPTなどに代表される生成AIです。

生成AIが、その威力を大いに発揮する分野の1つはプログラム開発だと言われています。

また、既存のプログラムコードを読み込んで、それを他の言語として作り直すなどは得意な作業です。

人手を介してやると何時間もかかる作業を秒レベルでやってくれます。しかも、正確に。

また、処理を効率化してメンテナンスしやすくしてくれたり、潜在している不具合(バグ)の検出までやってくれる優れものです。

この時代が生み出した優れものを使えば、こんな危機的状況を打破できる可能性があります。

例えば、スクラッチから作り直すのではなく、レガシーシステムの既存のコードを流用して最新のシステムに更新するのには、さほど労力がかからないのです。

ただ、問題は、こういったやり方が今まで採られてきていないことです。

基本的に、技術者は保守的なので、こういったアクションに対しては精神的な障害が高いのです。

平たく言えば、理論的には分かっているが、いざやるとなると恐くて手が出せないということです。

ただ、多くのレガシーシステムのデッドラインは近いかもしれません。

そういったケースでは、背に腹は変えられない状況といえます。

さて、このピンチをAI開発を本格的に始めるチャンスと捉えられるでしょうか?

2. 選択肢が増えれば継続の可能性は高まる

先日、英語の多読に使える「Oxford Reading Club」というサービスをご紹介しました。

多読というのは、英語学習の方法の1つで個人的にはかなりオススメできる方法です。

特に、長く英語から遠ざかっている方にオススメですし、生涯を通して英語を継続して学ぶためには最適とも言えます。

なぜなら、多読というのは、平たく言えば読書だからです。

そして、新たに多読に使えるアプリ見つけました。アプリの名前は「レシピー」です。

こちらは、「Oxford Reading Clu」とは違って、本の読み放題サブスクだけでなくて、「レシピー」という名称の英語学習プラットフォームを提供しています。

その中のメニューの1つとして、多読に使える英語の書籍(ラダーシリーズ)の読み放題があります。

「ラダーシリーズ」の書籍は、ちょっと大きめの本屋さんであれば置いてあるので見たことがある人も多いと思います。

ただ、この本も1冊のお値段はそこそこなので、躊躇なく何冊も読んでいくのには金銭面でのハードルが高かったのです。

「レシピー」は、料金も良心的で、ラダーシリーズの読み放題だけを利用するなら月額480円です。

言うまでもありませんが、私が知らなかっただけで、似たようなサービスはいくらでも見つかりそうです。

何ごともそうですが、選択肢が増えれば、継続はしやすくなります。

もう多読に関しては、本の値段を気にすることない時代だということです。

かつて本代には苦労した私としては、本当にうらやましいです。

ところで、最近は、大学入試の英語で要求される語彙力のレベルがかなり上がっているそうです。

これは、こういったアプリに代表されるように、ITによって学習環境が劇的に向上したことも関係している気がします。

ただ、やる人とやらない人は昔から一定の割合に分かれるものです。

昔からやる人はごく少数です。

なので、英語力の全体的なレベルが上がっている訳ではないみたいです。

これは、格差がものすごく開いているとも考えられます。

もちろん、これは学生ではない私たちにも全く同じ事が言えるのだと思います。

ごく少数のやる人とやらない人と差は開いていく一方だということです。