こんにちは、藤田です。
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WordPressがPHP8.3に対応したことの衝撃
PHPというのはプログラム言語の1つなのですが、iPhoneのiOSなどと同様にバージョンアップします。
WordPressも全く同様にバージョンアップをしています。
バージョンアップがなぜ必要かというと、これもiOSと同様で、大きく2つの理由があります。
1つは、あなたも体感されている機能追加や性能向上です。
そして、もう一つは、セキュリティ性能の向上です。
後者は地味な作業なのですが、放置すると外部からの攻撃を受けたりすることになるので、実は前者よりも重要です。
ところで、WordPressは、PHPという言語で動いているのですが、WordPressとPHPの開発はそれぞれ別々に行われています。
つまり、WordPressの方は、PHPに歩調を合わせる必要があります。
そして、今年2025年の7月に、PHPの歩調からかなり送れて、WordPressがPHP8.3に対応しました。
逆に言うと、それまでは対応できていなかったのでWordPressの方が遅れていたのですが、これにはそれなりの理由があるのです。
それは、PHPが8.3になったタイミングで大きく”仕様”が変わったからなのです。
これまでのように容易に対応することができなかったのです。
PHPが8.3になったことの何が問題なのか?
WordPressが追いついたことで起こった大きな変化があります。
それは、いわゆるレンタルサーバーなどを提供している会社が、一気に使用するPHPのバージョンを8.3以上にするように利用者に促すようになったのです。
これまでは、WordPressが対応していなかったので控えめに勧めていたのですが、今では利用者のセキュリティ面で問題が起こりえるので、「8.3より古いのは使わないで」と強めに周知しています。
レンタルサーバー会社としては、ユーザーが攻撃を受けたりすると対応が大変になるのでこれは当然のことですし、ユーザーが放置して攻撃を受けても自己責任と判断されて、あまりよく面倒は見てくれないでしょう。
つまり、あなたがWordPressサイトのオーナーであれば、速やかにWordPressのバージョンを「6.8」に上げて、PHPのバージョンを「8.3」にする必要があります。
ただ、今すぐやるのはやめて下さい。
最後まで読んでからの方がいいと思います。
かなりの確率でこのバージョンアップ作業をすると、動作しなくなる、あるいはそこまで行かなくてもエラーが出まくります。
理由は、WordPressで使っている「テーマ」と「プラグイン」の多くが、PHP8.3に対応できていないからです。
これは、PHP8.3が要求する仕様が非常に厳しいので、多くのテーマやプラグインが簡単に対応できないからです。
どちらも待っていれば、いずれ対応してくれる可能性もあります。
ただ、特にテーマの場合は作り直した方が早いというレベルまで変更箇所が多いものが多いようです。
プラグインは停止すればやり過ごせますが、テーマの場合はWebサイトのデザインそのものが変わってしまうので安直にWordPress付属のテーマに切り換えることはできません。
このため、WordPressサイトのオーナーで真面目にPHPのバージョンを上げたいと考えている方は困っているのです。
本当にWebサイトが必要かを考えて見る機会かも
もしあなたがWordPressを使ったWebサイトのオーナーであれば質問があります。
「本当にあなたにはWebサイトが必要ですか?」
あるいは
「WordPressで作ったWebサイトが必要ですか?」
インターネット上には、日本国内に限定してもWordPressで作ったWebサイトがたくさんあります。
大半のWebサイトがWordPressサイトと言っても過言ではないでしょう。
この理由のひとつとして、かつてのWordPressブームの際に、にわかWebデザイナーが増えたからだと私は考えています。
ブームの際には、にわかの”ど”素人でも、簡単に仕入れゼロでWebサイト開発してお金が取れたのです。
Webサイトの開発を依頼する方としても、安い方がいいですから、ど素人が作る安いWordPressサイトに飛びついたわけです。
ところが、こういった”にわか”の方々の大半は、WordPressの内側の技術的なことにはほとんど知識がありません。
ですから、今回のような事態が起きても対応できずにお手上げだと思います。
もちろん、今回のような激変レベルの事態は頻繁には起こりません。
ただ、それでもWebサイトのオーナーの方にご認識頂きたいのは、WordPressサイトを含めたWebサイトを運営するというのは結構手のかかることだということです。
立ち上げたままで放置していてはいけない代物です。
あなたのWebサイトのセキュリティが甘いと、あなたのサイトを踏み台にして他のサイトを攻撃することに利用されます。
他人の迷惑をかけることになると、自分は知らなかったでは済まされない事態になります。
自分で世話をできない、あるいは、技術のある人と繋がっていないなら、このタイミングであなたのWordPressサイトを放棄するべきかもしれません。
もし、あなたがWebサイトをあまり使っていないのなら躊躇せずに放棄すべきです。
それでも、Webサイトを持ち続けたいなら、手間のかからないクラウドサービス、例えば「STUDIO」などのサービスにこのタイミングで乗り換えた方がいいです。
ビジネスで使っているなら、ちゃんと技術のある人と契約して常時メンテナンスをしながら運営するべきです。
くどいですが、最後に改めてお伝えします。
WordPressサイトは、継続して真っ当な運用をしようとするのなら、結構な手間がかかる代物なのです。