本を読んでも内容を忘れてしまっては意味がないという脅迫観念を受け付けられている人が多いと思います。ただ、人はそもそも忘れる生き物なのです。そこで、忘れることを前提にした読書方法がオススメです。それは、目的意識を持って問題設定をしておくことで、読書で得た知識を潜在意識に蓄積させていく方法です。

そもそも人間は忘れる生き物

読書しても読んだことを覚えてないと無意味では?

普段から勉強をしている真面目な人に多いと思うのですが、この脅迫的な観念にとらわれている人が多いと思います。

私もその一人です。

そこで、なるべく読んだことを役立てるための工夫を日々考えてきたのですが、ちょっとその考えが変わりました。

その考えを変えてくれたのが勝間和代さんのこの本「勝間式 金持ちになる読書法」です。

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言うまでもないですが、たいていの人間というのは忘れる生き物です。

過去の記憶と関連付けられる内容というのは比較的記憶に残りやすいですが、そうでないまったく関連性のない新しい情報についてはすぐに忘れます。

暗記力抜群で物知りと言われている人たちだって、蓄積した知識を忘れないために反復をしています。

以前、AKB柏木由紀さんがYouTubeで話されていたことが興味深かったです。

「昔の曲の振り付けは忘れないのですか?」という質問に対して、忘れた頃にコンサートなどで踊ることになるので忘れないないと言ってました。

つまり、忘れないためには忘れた頃に反復する必要があるわけです。

逆に言えば、一度覚えた事を反復することなく覚えているなんて、一部の宇宙人を除けば、普通の人には無理ゲーなのです。

ところが、読んだことを忘れるような読書方法は無意味などといった脅迫的な観念がありませんか?

つまり、普段から私たちはこういった観念を刷り込まれているわけです。

これは、資本主義の悪い面であって、売らんがためのセールストークな訳です。

このように普段から洗脳されていると、書店などで”読んだことを忘れない読書法”などというタイトルやキャッチコピーを見ると興味を持つ訳です。

ただ、そうは言っても、読んだことを忘れてしまっていては、「一体、読書は何のためにするのか?」という疑問も起こります。

読んだことはやはりある程度は覚えてないと意味がないのではという話になります。

私もそういった考えがあったので、今まで読んだ内容を何らかの形で活用する工夫をしてきたのですが、今回勝間さんの本のおかげで新たな気づきを頂きました。

勝間さんの本に書かれていたこと

勝間さんのこの本に書かれていたのは、ある前提の上で本を読むと、無意識に情報が蓄積されていき、一定の臨界点を超えれば、無意識はガラッと変化する、ということでした。

つまり、無意識に勝手に蓄積されていくので、忘れることなど気にせずに読めばいいということです。

ただ、前提になるのが「目的意識」であり「問題設定」であって、本を読むことによってどんなことを知ろうとしているのかという意識だそうです。

この意識を持って読書をするのであれば、読んだことを忘れないようにしようといった無駄な意識はいらないということです。

この前提となる考え方としては、近年の脳科学分野でも主張されているらしいのですが、私たちの思考や行動は、意識よりも無意識的に決まっているらしいということです。

そして、情報蓄積の臨界点を超えて無意識的な変化が訪れると、自然と思考や行動も変化しているということだそうです。

そのため、どのように変化させるかにつながる最初の目的意識と問題設定がとても重要になるということです。

好奇心だけで本を選んでいいのか?

私は、これまで本のタイトルなどをみて好奇心だけで選ぶことが大半でした

つまり、明確な目的があるわけでなく、純粋に面白そうというのがその本を手に取る理由だったわけです。

そうなると、先ほどの目的意識を持って読書するという方向性からすると、これは本の選び方として間違っているのでしょうか?

実は、こういった本の選び方も、あらかじめ問題設定をしていれば有効になります。

具体的には、”人生の目的を達成するために本を読む”という問題設定をして、具体的に何を人生において目指すのかが明確になっていればいいのです。

その前提があれば、好奇心で選んだ本の中からもその目的にあった情報を蓄積することができるわけです。

そうなると、更に本の範囲が広がりそうです。

純粋にストーリーを楽しむような小説を読む場合にも意味のある読書、情報の蓄積ができるようになることにも気づきました。

小説を読むことに得られるメリットとして、ストーリーを楽しむこと以外に他人の人生を疑似体験することができるということがあります。

この疑似体験の中に、自分の人生の目的に役立つ体験はないだろうか、という意識を持って読むと、そのことが情報の蓄積になるのではと思ったのです。

以上、今後の読書全般を価値のあるものにするために、大きな目標設定の上での問題設定をしておくことが長期的に役立つと思いました。

言うまでもなく、人生の目標設定、そしてその上での問題設定については、たいていの人は頭の中にあるとは思います。

ただ、それをより具体化して現実に近づけるためにも書き出して明確にしておいた方がいいと思います。