こんにちは、藤田です。

もしあなたが、自前システムの開発を検討してるなら今回の内容は非常に重要です。

私はこれまでこのメルマガで、自らが生成AIの力でシステム開発事業を再開した話を何度もしてきました。

ところがこういった恩恵を受けているのは、開発する側だけでなく、開発してもらう側でもあるのです。

今回お伝えするのは、後者であるシステム開発を依頼する側のメリットの話です。

ルーチンワークはシステム化の対象である

あなたもこんな悩みを持っている人ではなかったですか?

「システム開発については分からないことが多すぎて、興味はあっても全く動き出せなかった。」

恐らく、世の中の大半の人はこういう想いをお持ちだったはずです。

システムとか、ITの話なんてわかりませんよね。

ところが時代が変わりました。

こういった懸案のほとんどは、生成AIの助けを借りるとクリアされるのです。

では、これから具体的にどういうことかをご説明していきます。

さて改めて、これまでは懸案とされていたことは何なのか?

列挙すれば、こんな感じではないでしょうか?

システム化したい内容をまとめられない、どれぐらいの費用対効果があるのか判断できない、システム費用の相場がわからない、どのように開発業者を探せばいいのかわからない、などなど。

これらが、自前のシステム開発を躊躇する理由となっていたはずですが、これらのことは全てまるっと生成AIの力でクリアにして前に進めるのです。

また、私たちのようなシステム開発業者も、ご依頼者が生成AIを使ってやりたいことをクリアにした状態でご相談いただいた方が、非常に対応がしやすいというメリットもあります。

では具体的に、日常業務が煩雑だとか、人手をかけたくないので合理化したい、というケースで考えてみます。

やるべきことは、書き出してみると以下の様にシンプルです。

そして、以下の作業を生成AIを使いながら順番に行えばいいだけです。

– あなたのルーチンワークを書き出す。

– プロンプトとしてまとめて、生成AIにどのようにシステム化できるか尋ねる。

– どれぐらいの時間がカットできるかを、実際の作業時間、手作業によって生じるミスの手戻りをカバーする時間も含めて尋ねる。

– この仕様でシステム開発をすると、どれぐらいの費用がかかるのかを初期費用と保守費用を含めて尋ねる。

– カットできる時間とシステム開発に必要な費用を天秤にかけて投資価値があるかどうかを判断する。

– 投資価値があると判断できれば、システム開発を決断する。

– 次は、業者選びの手順、相談、見積もりの手順をどのようにすればいいかを訪ねる。

では、これから、更に具体的に業種まで絞って、実際に使えるプロンプトも紹介していきます。

投資価値があるならやらない理由はない

業種として、不動産会社ならどうするかというお話しをします。

賃貸業中心の不動産会社のルーチン作業を書き出したなら以下の様になるかとおもいます。

– 問い合わせメールを確認し、空室一覧を添付して返信

– 内見希望者の日程調整(オーナーと仲介会社の調整含む)

– 契約更新の案内を入居者に送付

– 家賃滞納者へ督促メールの送信

– 建物巡回チェック(電球切れ・清掃状況確認)

– 点検写真をGoogle Driveにアップして担当者へ共有

ちなみに、このルーチン作業の書き出しの段階でも、生成AIに自分の業種を具体的に伝えて、ルーチン作業の例を先に挙げてもらい、その結果を編集する手順を取れば効率的に進められます。

つまり、この段階でも生成AIの力を借りれば手が止まってしまうことがないのです。

次に、このリストアップを使って、以下の様なプロンプトで生成AIに答えてもらいます。

以下は、不動産賃貸管理担当者の毎日のルーチンです。この業務を「自動化できる部分」「ワークフロー化できる部分」「人間判断が必要な部分」に分類し、システムとしてどのように構築すれば効率化できるか提案してください。

【ルーチン内容】

- 問い合わせメール確認と空室一覧の返信  

- 内見の日程調整(オーナー・仲介との調整含む)  

- 契約更新案内の送付  

- 家賃滞納者への督促メール  

- 建物巡回チェック(写真撮影・報告)  

- 点検写真のGoogle Driveアップロードと共有

これを元に、業務自動化システムの全体像を具体的に教えてください。

答えが返ってきたら、次にこのプロンプトでコストについて尋ねます。

先ほど提示した、不動産賃貸管理業務の自動化・ワークフロー化の提案を前提として、次は「時間削減効果」を定量的に評価してください。

【評価してほしい内容】

1. 各ルーチン業務について  

   - 現在の平均作業時間(1回あたり)

   - 発生頻度(1日 / 1週間 / 1ヶ月)

   - 手作業によって起きやすいミスの例

   - そのミスを修正・対応するために発生している手戻り時間

2. 上記を踏まえたうえで  

   - 現状の総作業時間(1ヶ月あたり)

   - 手戻り対応を含めた実質的な作業時間

3. システム化・自動化した場合  

   - 削減できる作業時間(業務別)

   - 完全に不要になる作業時間

   - 人が関与し続ける必要がある作業時間

4. 結果として  

   - 月間で何時間削減できるか

   - 年間で何時間削減できるか

   - 削減時間が大きい順に業務を並べる

【前提条件】

- 一般的な不動産賃貸管理会社(小〜中規模)を想定

- 現実的な業務時間を仮定してよい

- 数値は「概算」で構わないが、理由を簡潔に補足すること

できるだけ表形式で、分かりやすく整理してください。

これで、どれぐらいの時間が削減できるかがわかります。

次に、開発費用を調べるために、以下のプロンプトで相場について尋ねます。

なるべく、リアルな答えを求めるために、手戻りの時間なども考慮してくれるようにプロンプトは作っています。

これで、開発費用がどれぐらいかかるかがわかります。

これまでのやり取りで整理した、

・業務の分類(自動化/ワークフロー化/人間判断)

・業務別の時間削減量(手戻り時間含む)

を前提として質問します。

この仕様内容で、不動産賃貸管理業務の自動化システムを新規に開発した場合について、以下を教えてください。

【知りたいこと】

1. 初期開発費用の相場  

   - 小規模構成(MVP・最低限)

   - 標準構成(実運用レベル)

   - 拡張構成(将来拡張を見込む場合)

   それぞれの金額レンジと、含まれる機能範囲

2. 保守・運用費用の相場(月額)  

   - サーバー・インフラ費用

   - 障害対応・監視

   - 軽微な改修・設定変更対応

   - セキュリティ対応・バックアップ

3. 初期費用と保守費用を分けて考える理由  

   - なぜ初期費用だけでは判断できないのか

   - 保守費用が高くなりやすいポイント

4. 費用が上下する主な要因  

   - 外部サービス連携(メール、カレンダー、Google Drive 等)

   - ユーザー数・物件数の増加

   - 承認フローの複雑さ

   - スマホ対応・通知機能

5. 一般的な相場感として  

   - 個人事業〜小規模不動産会社向けの場合

   - 中規模会社向けの場合

   の費用感の違い

【前提条件】

- フルスクラッチ開発を前提とするが、既存クラウドサービス併用も可

- 実際の見積ではなく「一般的な相場レンジ」でよい

- 数値は概算で構わないが、理由を簡潔に補足すること

表形式で分かりやすくまとめてください。

さて、実際の金額をご覧になったと思います。

そして、結果をみてがっかりされたかもしれません。

実は、ここまでやってもらうと、残念ながらほとんどのケースで投資価値がないという判断をされるはずです。

でも、残念に思う必要はありません。

なぜなら、大切な2つことがわかったからです。

まず、一般的なシステム開発の相場を理解出来たこと、そして、この結果はあなたがシステム開発を依頼する相手ではない会社が出す金額だということです。

最大の難関が業者選びである理由

さきほど生成AIが返してきた桁外れに高額なシステム開発費用を出せる会社は少数派です。

なぜなら、生成AIが見積もりを出す側の開発業者として選んでいる会社が、大企業など体力のある組織を相手にしている開発会社だからです。

少なくとも、クラウドワークスや知り合いに紹介してもらえるフリーランスの個人開発者などではありません。

そこで、依頼する相手を変えましょう。

最初から、開発業者をフリーランスなどの想定した以下のプロンプトで再度尋ねてみて下さい。

先ほどまでの投資判断では、一般的なシステム開発会社(法人)に依頼した場合の相場を前提に評価されていました。

しかし、今回は前提条件を切り替えて再評価してください。

【前提条件(重要)】

- 依頼先は以下のいずれかを想定

  ・クラウドワークス等で見つかるフリーランスの個人開発者

  ・知り合い・紹介でつながる個人開発者

- 大規模SIerや受託開発会社は想定しない

- 要件はすでにAIによって整理済み(業務整理・時間削減量あり)

- 高度なUI/UXデザインや過剰な品質保証は求めない

- MVP(必要最低限)からの段階開発を前提とする

- 技術的には一般的なWebアプリ(Django / Laravel / Firebase 等)を想定

この前提で、以下を再評価してください。

【知りたいこと】

1. 初期開発費用の現実的な相場(フリーランス前提)

   - MVP(最低限動くレベル)

   - 実務で十分使える標準レベル

   ※クラウドワークス等で実際に成立しやすい価格帯を想定

2. 保守・運用費用の相場(月額)

   - サーバー・インフラ費用(小規模)

   - 軽微な修正・設定変更対応

   - 障害時のスポット対応(常時監視は不要)

   ※「保守契約なし+必要時スポット対応」の場合も含めて提示すること

3. フリーランス依頼で費用を抑えられる理由

   - どの工程が省略・簡略化されているか

   - 法人開発との主な違い

4. 想定されるリスクと対策

   - 個人依頼ならではのリスク

   - それを最小化する方法(契約・仕様・進め方)

5. この前提で再計算した場合の投資回収期間

   - 初期費用のみ

   - 初期費用+1年分の運用費

   - MVPから始めた場合

【出力形式】

- 表形式を中心に、数値はできるだけ具体的に

- 法人開発との比較が分かる補足コメントを付ける

- 非エンジニアにも分かる表現で説明すること

今度の結果は、”投資価値あり”と判断される可能性が高いです。

「最初からこのプロンプトでやればいいのでは?」思われたかもしれませんが、それは違います。

なぜなら、フリーランスへの依頼は、依頼側にとって非常にリスクが高いからです。

最初に生成AIが返してくれた王道の相場で、その金額であなたのビジネスでの投資価値があるなら、その王道の相場で開発を依頼した方が安全です。

特に、あなたがそれなりの規模の組織のトップならそのように判断すべきです。

では、リスクがあるならフリーランスを使うのはやめた方がいいのか?ということになりますが、個人や零細企業が独自のシステム開発をする場合はこの手しかありません。

ある意味では、見つかればラッキーぐらいのつもりで探してみればいいわけです。

開発することを前提に前のめりにならずに、途中で少しでもリスクを感じたらやめた方がいいです。

そこで、業者探しの方法も生成AIに尋ねてみます。

実は、今回お伝えしている話の中で、この先の生成AIとのやり取りが一番重要かもしれません。

これまでに整理した以下の前提をもとに質問します。

【前提】

- 業務内容・要件はAIで整理済み

- MVP(必要最低限)からの段階開発を想定

- 依頼先はクラウドワークス等のフリーランス、または知人紹介の個人開発者

- 大規模な受託開発会社は想定しない

- 価格と実用性のバランスを重視する

この前提で、次について具体的に教えてください。

【1. 開発者探しの手順】

- クラウドワークス等で探す場合の具体的な手順

- 知人・紹介経由の場合の進め方

- 最初に確認すべき最低条件(技術・経験・稼働)

【2. 最初の相談時にやるべきこと】

- 初回メッセージ・相談で伝えるべき情報

- 逆に、最初は伝えなくてよい情報

- 相手の力量を見極めるための質問例(3〜5問)

【3. 見積もりを依頼する際のポイント】

- 見積依頼時に必ず含めるべき要素

- 「一式見積」と「機能別見積」のどちらが良いか

- 見積金額の妥当性を判断する視点

【4. 複数人を比較する際の判断軸】

- 金額以外に見るべきポイント

- 初心者が選ばない方がよいタイプの特徴

- 安すぎる場合に確認すべき点

【5. フリーランス依頼で起きやすい失敗と回避策】

- 連絡が途絶える

- 納期が守られない

- 作った後に直せない

それぞれに対する具体的な予防策

【6. 最終的に1人に決める際の判断基準】

- 「この人なら任せてよい」と判断できるサイン

- 契約前に必ず確認すべきこと

- 最初に小さく発注する場合の進め方

【出力条件】

- 非エンジニアにも分かる表現で

- 実務でそのまま使えるレベルの具体性で

- 手順は番号付きで整理すること

返ってくる回答は、すぐに実践に移すにはイマイチの内容かもしれません。

多分、納得できないことが多々あると思います。

そこで、回答を読んでもいまいちピンと来なかったり、抽象的な答えの部分には、その箇所を何度もつっこんだ質問をしてください。

自分が納得して、実践に移せるぐらいまで具体的にしてください。

低価格で自前のシステム開発を成功させるためには、このフリーランスの業者選びがすべてと言っても過言ではありません。

手を抜いてはいけない作業です。

ところで、経験のあるフリーランスは、顧客を選びます。

経験のあるフリーランスは、仕事は欲しがっていても、目先のお金よりもトラブルを避ける方を優先するのです。

過去の経験から付き合えない顧客を見抜く能力を備えています。

だからこそ、フリーランスとして生き残っているのです。

一般の企業の場合は、営業が売上げのために乱暴に仕事を取ってきて、あとは開発に丸投げするなどという乱暴なこともありえます。

経験のあるフリーランスが相手の場合は、このようなことははありえません。

逆に言えば、顧客として選ばれれば、結果的には双方にとって安心なる可能性が高いです。

さらに、今回は生成AIを使って、どのようなシステムを作るかを具体的にしてあります。

ですので、このシステム開発仕様を提示すれば、経験の豊富なフリーランスも「あなたと付き合える」と判断する可能性が高いでしょう。

生成AIは、開発する側も開発される側の双方にとって、システム開発を成功させるハードルを下げたと言えます。