今回は、生成AIとやりとりしたすべての内容を、自分の思考プロセスや過去の決断などのすべて把握した「自分専用の外部脳(資産)」として活用できるようにした件についてお話しします。
生成AIとのやり取りが埋もれていく恐怖
最近は、Geminiなどの生成AIと「壁打ち」をすることで、自分一人ではたどり着けないようなアイデアや、ロジックを生み出せるようになっています。
ところが、私は年々物忘れが激しくなって困っています。
そのため、せっかく生み出したものが思い出せないという状況直面しています。
長々とAIと熱く議論して導き出した結論や、そこに至るまでの泥臭い試行錯誤のプロセスが、チャット画面の彼方に消えてしまい、後から二度と見つけられなくなっているということです。
お使いの人は分かると思いますが、生成AIのチャットの履歴で、数週間、数ヶ月前の会話を探すのには結構苦労します。
キーワード検索では文脈(コンテキスト)を拾ってくれないので、なかなか目的のやり取りが見つからず、見つかってもその長いやりとりをスクロールして目的の箇所を見つけるのがなかなか大変です。
「あの時、確か良い表現をAIが提案してくれたはず…」
「あのバグをどうやって解決したのか思い出せない」
こんな事が続くと、過去のやり取りがすべて「使い捨て」になっているようで虚しさを感じていました。
そこで、こういった「蓄積がこぼれ落ちていく感覚」や「忘れることへの恐怖」といった問題を解消した運用フローを詳しくご紹介します。
手作業での整理をやめてテクノリジーに委ねる
これまでは、生成AIとした大事そうなやりとりについては、テキストファイルとして残したり、Googleドキュメントにしたりして保存していました。
ただ、この「整理する」作業は、結構面倒な作業で、余程重要度が高いやり取りでもない限り後回してしまい結局忘れてしまいます。
つまり、整理が追いつかなくなるので、過去のやり取りのほとんどは埋もれてしまうわけです。
そこで発想を変えました。
手作業で整理するのを一切やめて、すべてのやりとりをそのままNotebookLM放り込み、生成AIにその中から文脈を探させるという仕組みを作りました。
対象は、すべてのやりとりで、断片的な思考、プログラムのバグ改修の記録、ボツになった企画案や構成案、そしてAIとの何気ない雑談などすべてです。
具体的には、これらをすべてNotebookLMに同期させて、GeminiのカスタムAIであるGemのソースとして設定します。
そして、このカスタムAiであるGemを使えば、いつでもプロンプトで引き出せる「外部脳」として機能させられるわけです。
おかげで「確か以前にやりとりしたチャットがあるはずだ」と自分の記憶を辿る必要がなくなり、Gemに聞けば一発で見つかるという安心感が持てるようになりました。
これで「忘れる恐怖」から解放されたので、脳のリソースの大半を未来のクリエイティブ活動に振り向けられるなりました。
履歴を資産化する週1回のメンテナンス手順
では、具体的に私が実際に行っている作業をご紹介します。
使っている生成AIはGeminiですが、このGeminiとの対話履歴をNotebookLMに集約していて、常に最新の状態に保つために以下の様な作業をしています。
まず、Googleデータエクスポート機能で、Geminiとのやり取り全履歴を抽出します。
エクスポートによって自分のGemini対話履歴が、JSON形式のデータとして丸ごとダウンロードできます。
ただ、このデータは、「AIが読みやすい形」にはなっていないので加工をします。
NotebookLMが会話の区切りやタイトルの重みを正確に把握できるようにすることが目的です。
加工のために作ったPythonスクリプトを使って、膨大な何百ものセッションを構造化されたMarkdownファイルへ一括変換します。
Markdownにすることで、「いつ、どんなタイトルで、何を聞いて、どう答えたか」が階層的に整理され、AIが情報を探索する際の「地図」として効率的に機能するようになります。
NotebookLMに作ってあるノートブックの古いソースファイルを削除して、最新版のMarkdownファイルと入れ替えるだけでナレッジデータベースは数秒でアップデートされます。
この際、GeminiのカスタムAIであるGem側は作業は不要で、すでに最新のナレッジベースをソースとして使える状態になっています。
毎週の作業としてのデータエクスポート作業が若干面倒なのですが、データさえダウンロードできればPythonスクリプトで一瞬で変換できるのでその後の作業はすぐに済みます。
できれば完全自動化したいですが、このナレッジベースの価値を考えれば、手作業として残っていてもさほど負担ではないレベルです。
自分専用のエージェントであるGemの高い価値
自分専用カスタム生成AIであるGemは、一般の生成AIとは全く別ものの高い価値があります。
これは、単なる検索ツールではなく、自分自身の文体や価値観、過去の成功体験、あるいは失敗の傾向までも反映した、世界に一人だけの「分身エージェント」と言えます。
例えば、今回のメルマガのテーマ選びも、実はこのGemから生み出しました。
先月1ヶ月間の全セッション履歴からメルマガのネタとして3つほどリストアップさせたのです。
具体的には、今の私の関心と、読者が抱えている課題が交差するポイントについて何かないかと尋ねたわけです。
それ以外には、例えば「以前のプロジェクトで苦労した、あの特殊な関数の実装方法を教えて」と尋ねれば、当時の試行錯誤のログを背景にしながら、今のコンテキストに合わせた最適な解決策を提示してくれたりします。
過去の自分のやり取りを使っているので、ふつうに生成AIにもらう回答よりもより自分用にカスタマイズされた回答がもらえる感じです。
この仕組みを作ったことで、生成AIとのチャットが、その場限りの刹那的な「消費」でなくなりました。
がっつり生成AIを使っている方には、今回の私の悩みを共感してもらえると思います。
結構オススメの方法なので、あなたが生成AIを日常お使いならお勧めします。
具体的な、GemやNotebookLMでの設定や操作方法はご紹介しません。
なぜなら、私がご説明する必要はないからです。
このメルマガ全文を生成AIに貼り付けて、設定方法と操作方法を教えてもらって下さい。
完璧な答えが返ってくるはずなので、それを順番に実行すればいいだけです。
いやはや、すごい時代になりました。