今回は、主に士業様、不動産業様向けに、顧客フォローを自動化についてお伝えします。

「連絡し忘れ」を減らし、お客様との接点を維持するためにはシステムによる自動化が必須です。

システム化と聞くだけで引いてしまうような士業様、不動産業様にこそ読んでいただきたい内容です。

もちろん、他の業種の方にも”自分にも出来るかも”という、システム化の大きなヒントになると思います。

「連絡し忘れ」あるある

士業や不動産業では、一度相談を受けたお客様が、その場で契約されるとは限りませんし、どちらかというとこうなります。

「検討します」

「家族と相談します」

「時期が来たら連絡します」

このようなお客様が大半ですから、取りこぼしを防ぐためにもその後のフォローが非常に重要です。

取りこぼしという表現はお客様には失礼に聞こえますが、お客様からすれば”自分がやらなければならないこと”の先延ばしを防いでくれる助けになるわけです。

しかし、日々の業務に追われていると、気づけば数か月経ってしまい。

そろそろ連絡しようと思っていたのに、気が付いたら他社に依頼されてしまったという”あるある”に落ち着きます。

ここで、担当者を責めても何の解決にもなりません。

そもそも、人が悪いのではありません。

人が管理している以上、「連絡し忘れ」はどうしても起こります。

精神論で何とかなるものだという幻想を捨てて、システム化して仕組みで防ぐ方針に舵を切るべきです。

FastAPIで作る顧客フォローの仕組み

そこで今回ご紹介するのが、FastAPI を活用した顧客フォローの仕組みです。

FastAPI(ファストエーピーアイ)というワードについては、とりあえずスルーしてこの先を読んでください。

例えば、初回相談時に顧客情報を登録すると、次のような流れで動きます。

顧客登録

    │

    ▼

「初回相談日」を保存

    │

    ▼

FastAPIが毎朝9時にチェック

    │

    ├─ 7日経過?

    ├─ 30日経過?

    ├─ 90日経過?

    └─ 180日経過?

          │

          ▼

条件に合う顧客だけ抽出

          │

          ▼

AIでメール文を作成

          │

          ▼

担当者が内容を確認・修正

          │

          ▼

Gmailから送信

          │

          ▼

送信履歴を保存

ここで登場した FastAPI とは、毎日決まった時間に仕事をしてくれる「司令塔」のような役割を担う仕組みです。

少し技術的な話をすると、FastAPIはPythonというプログラミング言語で開発されている、高速かつ柔軟なWebアプリケーションフレームワークです。

最大の特徴は、GmailやGoogleカレンダー、AI、顧客管理システムなど、さまざまなサービスを連携させ、一連の業務を自動で実行できることです。

例えば、

  • 毎朝9時に顧客情報を確認する
  • 条件に合うお客様だけを抽出する
  • AIにメール文の下書きを作成させる
  • 担当者が内容を確認する
  • Gmailから送信する
  • 送信履歴を保存する

といった複数の処理を、決められた順番で自動的に実行できます。

つまりFastAPIは、「メールを送るシステム」ではなく、会社のさまざまな業務をつなぎ、人が行っていた定型作業を自動化するための基盤です。

一度仕組みを作れば、顧客フォローだけでなく、問い合わせ対応、案件管理、書類作成、スケジュール管理などにも応用できるため、業務効率化の土台として長く活用できます。

ところで、なぜ FastAPI だけ推すのですか?と思われたでしょうか?

もちろん、唯一の選択肢ではないですが、数ある選択肢の中で最有力だと思ってください。

ですから、他の選択肢をご自身で調べてもらってそちらを選択してもらっても全く問題ないです。

私が、FastAPIを推す理由は、AIやGmail、Googleカレンダーなど、さまざまなサービスを連携させた業務自動化との相性が非常に良いからです。

とてもシンプルに始められ、必要な機能を後から追加しやすいため、自社専用の業務システムを育てていく土台として最適です。

さて、話を顧客フォローの仕組みに戻します。

先ほどの流れの中でポイントがあります。

自動的に、生成AIがメールを作るのですが、勝手にメールを送るわけではないということです。

AIは、お客様の状況や過去のやり取りをもとにメールの下書きを作成します。

そして、担当者が、その内容を確認し、必要に応じて修正したうえで送信します。

つまり、「作業」はAIが担当し、「判断」は人が行うという仕組みです。

また、FastAPIは、あなたが思いつくであろう条件でお客様情報を抽出してくれます。

例えば、

  • 初回相談から30日経過したお客様だけ抽出
  • まだ契約していないお客様だけ対象
  • 不動産売却の相談者だけ抽出
  • 法人のお客様だけ抽出
  • 前回連絡から14日以上経過した方だけ抽出

また、これらの複数の条件を組み合わせることもできます。

このような細かな条件管理は、一般的なメールソフトだけでは難しいですが、FastAPIがあれが楽勝です。

この仕組みを導入することで、

  • 連絡し忘れが減る
  • 担当者ごとの対応品質をそろえられる
  • 顧客との接点を維持しやすくなる
  • 日々の事務作業を減らせる
  • 本来の相談業務に集中できる

といった効果が期待できます。

さて、問題は、この FastAPI を使ったシステムを、プログラミング未経験者でも手に入れられるのかという話です。

夢でなくなった自前の業務システム開発

結論から言えば、以前と比べて、そのハードルは大きく下がっています。

理由は、Codex や Claude Code のようなAIエージェントの登場です。

これらのAIは、単にコードを書くだけではありません。

「こんな仕組みを作りたい」という要望をもとに、

  • システムの設計
  • FastAPIによる実装
  • テスト
  • 不具合の修正
  • 改善提案

まで、一連の作業をサポートしてくれます。

もちろん、最終的な確認や運用は人が行う必要がありますが、以前のようにプログラミングを一から学んで開発する必要はありません。

言うなれば、少し思い込みが激しいが結構優秀なIT技術者に指示を出して開発をやらせるという感じです。

FastAPIを使った自前システムを持つのに必要な投資は、バーチャルサーバー(VPS)を契約することくらいです。

最近では、月額1,000円前後から利用できるサービスも多く、小規模な業務システムであれば十分運用できます。

あとは、Codex や Claude Code のようなAIエージェントに目的を伝えるだけです。

例えば、次のようなプロンプトから開発を始められます。

– – – – – – – – –

あなたはシニアソフトウェアエンジニアとして、このプロジェクトを担当してください。

以下のルールを必ず守ってください。

* 不明点がある場合は、推測で実装せず、必ず質問してください。

* 既存ファイルは、理由なく削除・大幅変更しないでください。

* データベースの削除や既存データを失う可能性のある処理は、事前に確認を求めてください。

* セキュリティを最優先にしてください。認証・認可・入力値検証・秘密情報の管理には十分配慮してください。

* ライブラリを追加する場合は、その理由を説明してください。

* 変更内容は、小さな単位に分けて実装してください。

* 実装後は、テスト方法と確認方法を説明してください。

* 保守しやすいコードを心掛け、日本語でコメントや説明を付けてください。

これから、FastAPIを使った士業向けの顧客フォローシステムを開発します。

目的は、顧客との接点を維持し、「連絡し忘れ」を防ぐことです。

顧客登録時に初回相談日を保存し、毎朝9時に以下の条件を確認してください。

* 初回相談から7日

* 初回相談から30日

* 初回相談から90日

* 初回相談から180日

条件に一致した顧客を抽出し、AIがメールの下書きを作成します。

担当者が内容を確認・修正した後、Gmailから送信できるようにしてください。

送信履歴はデータベースへ保存し、同じメールが重複送信されないようにしてください。

まずは全体設計を提案してください。

設計が承認されるまで、実装は開始しないでください。

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もちろん、この一回の指示だけで完成するわけではありません。

AIと対話しながら、最小構成のシステムを完成させていきます。

生成AIは、思い込みが強くて誤った方向に視野狭窄のまま突っ走る傾向があります。

あなたは、どうもおかしいなと思ったら方向を見直させてください。

ただ、さほど恐れることはないです。

この程度の仕様なら、あっさりと最小構成の仕組みは完成するはずです。

もちろん、即日から実践で使い始められます。

運用をしながら、更に指示を追加していきます。

「この画面を追加してください。」

「メールの条件を変更してください。」

「LINE通知にも対応してください。」

と少しずつ育てていけば、使い勝手のいい自社専用の業務システムになっていきます。

ある意味、ここが醍醐味です。

外注したシステムは、ほとんどのケースで使い勝手が悪くものになります。

ところが、自作の場合は自分で好きなようにチューニングできますから使い勝手のいいものができるのです。

これまで業務システムの開発は、専門のシステム会社へ数百万円をかけて依頼するものでした。

およそ中小零細企業や個人事業主には、手出しの出来ない関係のない世界だったわけです。

しかし、生成AIの登場によって、その常識は大きく変わり始めています。

「自社の業務にぴったり合った仕組みを、自分たちの発想で育てていく。」

そんな時代が、もうすでに来ています。