海外のインフレが加速していることで余計に日本の賃金の安さが顕在化してきました。そうなると、リモートワークが可能な業種なら、全く同じ仕事内容ならあえて日本国内の仕事をする必要があるのか疑問を感じます。もちろん、言語の壁はありますが、思ったほど高くもない気がしますし、それ以上にテクノロジーの進化が問題を解決しそうです。

英語でリモートワーク

私が、もし今、現役のIT開発者なら恐らくチャレンジすると思うのが、海外のクライアントとのリモートワークです。

理由は、日本の賃金が安過ぎるからです。

IT開発の場合、たとえばプログラム開発の場合は、クライアントが国内だろうが海外だろうが同じ仕事内容ですから、それなら賃金の高い海外の相場での仕事に挑戦すべきではということです。

もちろん、IT開発に限らず、海外クライアントであっても仕事内容が変わらないなら同じ事が言えます。

例えば、Webデザインなんかもそうだと思います。

会社に出社することなく自宅で働くリモートワークが普通になりつつありますが、フリーランスの場合は以前からリモートワークが普通でした。

そして、副業として働く場合も立場はフリーランスになります。

さらに、フリーランスの仕事の大半は、リモートだけで完結します。

そう考えると、別にクライアントを日本に限定する理由がありません。

同じ仕事内容なら、賃金が高いところと仕事をした方がいいに決まっています。

もはや日本の賃金は安過ぎますから、海外のクライアントに目を向けるということです。

クライアントの探し方ですが、クラウドソーシングサービスというマッチングサービスがあります。

日本では、ランサーズとクラウドワークスさんが有名ですが、逆にこの2つぐらいしか思いつきません。

ところが、世界規模で探すとものすごくたくさんあります。

そのため、相手が海外の企業であってもマッチングで苦労することはないはずです。

そして、IT開発などは、いい技術者であることが先方に伝われば継続して仕事の依頼をされる業界です。

もちろん、海外相手のなると言語の壁がありますが、仮にこの壁がないとすれば迷う理由もありません。

特に、IT開発系などの仕事の場合は、ほぼ開発スキルだけで勝負できるので尚更です。

そう考えれば、あなたがIT開発者で言語面で不安がないなら、今からすぐに海外相手に仕事を始めてもいいのではないでしょうか?

そして、もう後10年もしたら、海外の仕事をするのが普通になっているような気もしています。

英語の必要性の変化

海外相手のリモートワークは、仕事のやり取りができる英語力さえあれば問題ないはずです。

ところで、この英語力はどれくらい必要なのでしょうか?

それ以前に、AI翻訳の発達で、ここ5年ぐらいでこの英語力も必要なくなる可能性すらあります。

現在のAI技術の主流である、ディープラーニングで最も結果が出ている分野の1つが翻訳です。

Googleさんなどが提供している翻訳サービスの性能向上はすさまじくて、話した言葉がリアルタイムに翻訳されて相手に伝わるのも時間の問題と言われています。

もちろん、過渡期は、特に専門用語では、翻訳の正確さに不安があります。

そこで、翻訳された自分の会話の英文をチェックして、間違っていないかを確認するための英語力があった方がいいかもしれません。

完全な実用化までには10年ぐらいはかかるかもしれませんが、逆に言えば10年後は言語の壁がなくなっている可能性が高いということです。

必要な英語力とは

AI翻訳の実用化までの当面の間は、リモートワークで困らないためには、ある程度の英語力は必要になりそうです。

そうなると、「やっぱり無理」と思う日本人が多いと思います。

ただ実は、世界的なレベルから言うと、日本人は大学を出たレベルの英語力があれば十分にビジネスで通用すると言われています。

そもそも、ペラペラしゃべるなどという英語力は必要ありません。

それにも関わらず、日本人に英語に自信がない人が多いのは、日本での英語力の評価レベルが高すぎるだけです。

例えば、米国では、英語がろくにできないのに英語圏で平気で仕事をしている人はいくらでもいるそうです。

日本人からすれば相当ずうずうしいと感じるでしょうが、逆に考えれば日本人が遠慮しすぎということです。

結論として、日本人に必要なのは「実践」だと思います。

そこそこ英語力は必要なのは言うまでもありませんが、実践して足りないものを認識しながら、それを補いながら働くぐらいのアプローチでいいのではないでしょうか?

仮に、海外のクライアントに切られても、”うまくいかなかった経験値”が増えるだけです。

諦めずに続けていれば、気が付けば普通に海外のクライアントとの仕事ができるようになると思います。

そもそも、リスクよりもメリットの方が圧倒的に大きいはずなので挑戦のしがいがあるはずです。

ところで、私たちの世代が若い頃から「英語は必要」と言われてきました。

ところが、当時は、ただなんとなく漠然と根拠もなく英語が必要と言われていただけでした。

実際に、ビジネスで英語を使っている人などごく一部でした。

つまり、これまでの日本では、ぶっちゃけ英語はいらない社会だったのです。

その理由は、日本がずっと豊かな経済大国であり、国内だけですべてが豊かなレベルで完結する国だったからです。

英語圏のモノをあえて導入する必要がなかったのです。

ところが、今後は、日本の経済は縮小していくので、国内だけでは低いレベルでしか完結しない国になると思います。

そして、インターネットの普及、海外との賃金格差、AI翻訳機能の発達などが要因となって、これから先の時代の英語の必要性は、これまでとは明らかに変わったと感じています。

これは、若い世代は言うまでもなく、私たちの世代もまだまだ人生長いですから同じです。